TERRI WEIFENBACH INTERVIEW JAPANESE TRANSLATION

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Union Issue 07 “Summer Time by Terri Weifenbach”

 

Q1. ご出身はどちらですか? 育った所はどんな所でしたか?

A1. 私はワシントンD.C.の郊外で育ちました。その町の多くの家々や庭はどれも全く同じ形だったんです。私はこのゾッとするような日常に気づきました。ただ幸運なことに、私の母は郊外にある池や森林公園が側にある家を買ってくれたので、私はそこで育ちました。小さい頃はこの公園でよく探検をしていました。

 

Q2. 今回寄稿して頂いた作品の事を教えて下さい。

A2.

これらは天気の視覚的な思考過程を捉えた新しい作品の始まりの一部です。この新しい試みは今までの私の作品の延長上でありながらも、天気を視覚的に見せるというアイデアを加えたものです。私は気候が変わる事によりどんな変化が起こりうるか、また大きな火山の噴火で変化する地球の気温の変化やそれによって何を失うのか、私たちの地球はどれだけ儚いものであるかなど様々な事について興味があります。

 

Q3. 写真を撮る時にいつも考えている事、大切にしている事があれば教えて下さい。

A3. 写真を撮っている時はクリアな心境でいたいと思っています。英語では表現が難しいですが、おそらく日本語にはそれに近い表現があるかもしれません。そんなに沢山の事を意識していませんが、景色のほうへ高く注力を向いています。けれど同時に聴覚や触覚を使いながら、自分を取り巻くあらゆることにも意識を向けています。全てのことが大切で、常に全てが選択なのです。

 

Q4. 誰か尊敬している写真家、または憧れている写真家がいたら教えて下さい。

A4. 私は写真家に憧れますが、絵画のほうがよりよく見ます。なので両方から1人ずつ挙げますね。

私の好きなものは気まぐれで、その時代や見つけたもの、気分などによっても左右されるのですが、写真家でいえばウィリアム エグルストンは色の組み合わせによる調和(彼の言葉によると、抽象的表現主義な彼の愛によるもの)は強さと、鋭い感情的な要素によって真実を捉えています。画家についても本質的に同じ様な理由からセシリー ブラウンを挙げます。彼女の作品はダイナミックかつカラフルで、同時に絵画においての脱構築的な写真の様にみえます。

 

Q5. どんな所が写真の一番の魅力だと思いますか?

A5. 私は(写真によって)世界を切り取り編集する事が楽しいし、また驚きもあります。写真家にとってフレームは視覚的で気まぐれに切り取るものであり、彼(彼女)自身と世界とを繋げる、そして表現する事です。現実世界からフレームによって切り離し、思考と視覚によって解釈されるものなのです。被写体は写真家のビジョンや表現によって変換されます。私はこれを魔法と呼んでいいと思います。

 

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Q6. あなたは自然を美しく、本当に個性的な方法で撮影されています。こういったあなたの作風はどの様にして生み出されたものですか?

A6. 私は森林や庭園、自然全般に興味があり、小さい頃からただ一つの場所に座って自然を観察することを習慣にしていました。ですので1992年に初めてカラーで撮影をした時、私が見せたかったのは(自然の中で)見つけたそのものが普通ではなく、そして私はそれらをわざと孤立させてみたのです。同時にそれらの周りの環境も見せたかったのです。ライカのカメラは浅い被写界深度(奥の被写体にピントが合っている状態)でその両方を表現することができるのです。

 

Q7. あなたの住むところの近くで、特に美しい光が射す場所はありますか?

A7. ワシントンD.C.周辺には、秋には斜めにさす美しい光、春には柔らかい光がさし込みます。これは東京の気候や光とよく似ています。D.C.の光において、人を感動させる要素は絶えず変化しているのです。

 

Q8. 何があなたの作品にオリジナリティーを与えると思いますか?特に意識していることはありますか?

A8. この質問には客観的に答えられる自信がありませんが、私は自分のイメージのなかで探求するラインをたどります。非常に多くの場所を導き出すので、実 際はラインではなく探求の三次元空間なのかもしれません。私は意識的に個性を出したり、周りと同じ様にしようとしたりしません。私はメリーランド大学で写真と絵を学び、アートの歴史や現代アートを勉強していました。そして約8年間写真だけを撮り続け、私の周りの世界だけに注意を払い、他のアーティストのことはあまり考えていませんでした。ただ少しは考えていましたね。でも多くはありません。そうしたことが実際の時間の影響を受けずに、大学で学んだ知識の影響だけで創作できたのです。

 

Q9. あなたが写真を始めた頃に比べて、何か考え方が変わったり、撮影のために準備するようになった事などありますか?

A9. 私はいつもイメージを見つけるために歩いています。私は今も同じように考えていますが、歩くための場所を見つけることが重要なリサーチにもなっているのです。それは私にとって新しい事です。

 

Q10. 昨年撮影された作品の中で一番印象に残っているものは何でしょうか?

A.10 去年は私にとって初めてのコラボレーションをしました。川内倫子さんと私はメールを介しての写真によってお互い連絡を取り合いました。それは彼女との楽しい会話の中から自然の流れで実現しました。私は期待に胸を膨らませ彼女の新しい写真が来るのを何日も待っていました。贈り物みたいな。他の人のプロセスを覗き込むような感じです。

 

Q11. 写真の中には時たま、息子さんが登場しますね?自然を撮る時との違いはどういったところでしょうか?

A11. それはよりタイミングが重要です。子供たちはとても活発で、カメラの前で止まってくれません。私はデジタルに変える際、調整しなければいけませんでした。なぜならシャッターが瞬時に降りないので。それがたとえ、たったミリ秒の違いだとしても。さらに、彼を撮影する際のしぐさについても沢山考えました。

 

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Q12. 多くの写真集を出版されていますが、中でもナツラエリプレスから刊行されている”Between Maple and Chestnut”は特に美しい本だと思います。”In Your Dream”も素晴らしいです。ご自身でお気に入りの本を3つ挙げるとしたら何がありますか?

A12. お気に入りは選べません!それは自分の子供の中から一番好きな子を選ぶようなものです。それぞれの作品が自身の魅力を持っているので一つには絞れません。

 

Q13. ナツラエリプレスは非常に素晴らし出版社だと思います。彼らと仕事をするようになったきっかけは何でしょうか?

A13. それは1996年、ナツラエリがドイツにあった時です。彼らは箱に入った25枚の私のカラーの作品を見せ、無名のフォトグラファーの作品を出版することに賭けてくれました。“In Your Dreams” が出会いの経緯です。

 

Q14. プリントはご自身でされることもあるのでしょうか?

A14. Cプリントの素材を使う時やアナログを引き延ばしてプリントする時、私は全て自分でプリントしていました。それは1992年から2013年までですが。今は完全にデジタルで出力するように変えました。なぜなら、アメリカでcペーパープリントはデジタルの方に傾き、アナログプリントには不適切になってしまったのす。ですので今は自分でプリントをするのは慣れているので、最終的なプリント用に自宅でプリント見本を出力するようにしています。

 

Q15. 写真とはリアリズムだと感じますか?もしくは虚構の世界でしょうか?

A15. 写真はいつも虚構の世界です。でも、虚構の世界は現実と密接なのです。

 

Q16. あなたにとってシャッターを押す完璧な瞬間とは偶然訪れるものでしょうか?もしくは探しにいくものですか?

A16. 偶然の場合、それは私の作品の表情です。でもシャッター押す時の全てがそうではないのです。

実際デジタルカメラが初めて出た時は、シャッターを押した瞬間の画と実際に切り取られるイメージには差がありました。その時は裏切られた気持ちになりました。それは、私がデジタルに変えるのを待っていた理由のうちの一つでした。今は専門的なカメラにおいてはその遅さがかなり改善されました。

 

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Q17. 最近、あなたはデジタルカメラも使用されていますね。始めにデジタルを使い始めたときは何か違和感がありましたか?フィルムに比べて好きではない部分などありますか?

A17. 35mmと同等のデジタルカメラが起伏のある連続階調(or連続的な起伏のある色調)を改善するまでにしばらく時間がかかりました。なぜなら私の写真はセレクティブフォーカスを多用するた め、色味を画素に変更し、微妙に異なる色調を平坦にしてしまったりなど、この問題はとてもよ く起こることで、作品に大きな影響を与えました。現在、そのファイルの大きさは十分で、少なくともそれより小さいフォーマットのフィルムと同等のクオリティになりました。私はデジタル画像にはないフィルムが持つ感覚的な震度の質を、おそらくこの先絶対に諦めないでしょう。フィルムとデジタルカメラが共に現存することが出来ず、そのどちらかを選ばなければいけないのは悲しい事です。

 

Q18. 前号では写真集Giftからのセレクションとしてコントリビュートして頂きました。Unionについてどう思いましたか?

A18. 初めてUnionを見て心に浮かんだ言葉はフレッシュでした。それは新しく、若々しく、心を震わせました。Unionに参加させてくれてありがとうございます!

 

Q19. 今後撮影してみたい国や景色、被写体等あれば教えて下さい。また、何か今後のプランや願望などがあれば聞かせて下さい。

A19. 私は美しい気候の場所を探しています。または特別な動物がいるところや、変わった植物の生息する場所、微気候な場所を探しています。これは以前からそれとなく探していたんです。アラスカ州のバローに行けることを望んでいて、あとはこの夏日本でできれば2度、2つの異なる場所で撮影が出来たらいいなと思っています。

 

INTERVIEW by HIROYUKI KUBO